変異型EGFR選択的TKIは、2016年に本邦でも承認された肺癌の治療薬である。しかし、この薬にも耐性が獲得されることが予測され、これまでの研究より上皮間葉移行(EMT)がその原因であることが示唆された。まず、EMT耐性克服方法としてAXL阻害効果を検証したが、効果は得られずAXLのEMT耐性への関与は認められなかった。一方、EMT関連転写因子のZEB1を抑制した結果、耐性株の間葉系から上皮系への逆行(MET)が起こり、感受性が回復した。さらに、ZEB1を標的にできる薬剤を探索した結果、薬剤AがZEB1を低下させMETを誘導すること見出し、EMT耐性の治療薬として有望であると考えられた。
|