研究課題
本研究は血液凝固阻止因子であるトロンボモジュリン(TM)及び活性化プロテインC (APC)のアレルギー性喘息(特にその主たる原因である肥満細胞、好塩基球、樹状細胞)における役割を気管支喘息モデルマウスや細胞株を用いて解明することによりアレルギー性喘息の未だ知られていない部分を明らかにし、更にこれらの凝固制御因子のアレルギー性喘息における新治療薬としての可能性を見出し、臨床応用への展開を計る研究基盤を構築することを目的とした。平成27年度ではアレルギー性喘息モデルマウスの気道過敏性と好酸球浸潤に及ぼす組換えヒト(rh)TM投与の影響を検討した。マウスにトリ卵白アルブミンを腹腔内投与することで感作させ、2回目の感作より1週間後にrhTMを気管内投与し、投与直後にトリ卵白アルブミン曝露を行った。また、マウス骨髄由来細胞をFlt3Lの存在下で1週間培養することでマウス骨髄由来樹状細胞とし、樹状細胞の成熟に対するAPCの抑制効果を検討した。その結果、rhTM投与群のアレルギー性喘息マウスでは、非投与群にくらべ、気道過敏性と好酸球浸潤は有意に低下した。また、コントロール投与群にくらべ、rhTM投与群のアレルギー性喘息マウスでは、肥満細胞の脱顆粒化が有意に減少した。さらに、in vitro実験ではコントロールにくらべ、APC投与によりマウス骨髄由来樹状細胞の成熟が抑制された。
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Allergol Immunopathol (Madr)
巻: 15 ページ: 152-154
10.1016/j.aller.2015.09.007.