COPD患者における骨粗鬆症と肺気腫病変との共通する病態基盤は明らかなとなっていない。長期喫煙曝露肺気腫マウスモデルを用いて、骨代謝、骨構造、骨組織を観察した。細胞レベルでの喫煙の影響を確認するために、破骨様細胞を用いてタバコ煙抽出液の投与実験を行った。 動物実験では、短期喫煙曝露では骨吸収と骨形成がともに抑制される低回転性骨代謝が認められたが、長期喫煙では逆に高回転性骨代謝へと変化した。骨密度は増加したが、骨組織において破骨細胞の増加を認めた。細胞実験では、タバコ抽出液の投与により破骨細胞への分化が抑制され、短期喫煙による骨吸収抑制が細胞レベルで確認された。
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