腎臓特異的なエリスロポエチン(EPO)発現誘導薬のスクリーニング系を樹立するために、Epo遺伝子の腎臓特異的な転写調節領域の詳細な解析を行った。その結果、腎臓におけるEpo遺伝子の発現制御に必須な領域として上流 17.4 kbpから上流 3.6 kbpの領域(CURE領域)を同定した。CURE領域を介したEpo遺伝子転写制御機構を欠損したマウスを樹立したところ、同マウスは腎性貧血と同様にEPO欠乏性の慢性貧血となることを示した。また、Epo遺伝子上流領域及びEpo遺伝子周辺領域の系統発生学的に保存された領域が腎臓におけるEpo遺伝子転写制御に重要であることをマウス個体レベルで示した。
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