本研究では、腎尿細管間質の線維化に寄与するエピジェネティックなメカニズムおよび因子を同定するため、遺伝子発現のヒストン抑制マークであるH3K27me3を阻害する役割を持つDznepを慢性腎不全モデルマウスに投与した。さらにレーザーマイクロダイセクションを用いて近位尿細管細胞のみを切りだし、高速シークエンサーによりRNAの網羅解析を施行した。その結果、慢性腎障害モデルマウス群およびDznep投与群において、発現が変動する線維化関連遺伝子およびlincRNAsを同定した。これらの実験結果からDznepがエピジェネティックな因子を変化させ、腎尿細管間質の線維化を軽減する可能性が考えられた。
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