研究課題
最近、我々はKLHL3がWNK4とCUL3に結合してWNK4ユビキチン化に関わり、WNK4-SPAK/OSR1-NCCカスケードを通した血圧制御機構に関与していることを発見した。またKLHL3と同じKelch familyでありNrf2のユビキチン化に関わるKeap1が、酸化ストレス下でp62/SQSTM1(p62)による選択的オートファジーにより制御されることが報告された。このことから、WNK4分解系におけるp62および選択的オートファジーの関与と、その機構の偽性低アルドステロン症II型(PHAII)への関与を明らかにするための実験を行った。HEK293T細胞にKLHL3、WNK4、p62を強制発現させ、蛋白間結合や発現量に与える影響、免疫染色での細胞内局在などを検討した。その結果、KLHL3はKeap1同様p62と直接結合し、WNK4はKLHL3、p62を介してオートファゴソームに取り込まれていた。プロテアソーム阻害下のp62のknock downによりWNK4とKLHL3はともに増加した。PHAIIを引き起こすKLHL3変異体存在下ではknock downによるWNK4の増加は見られなかった。以上のことから、WNK4はKLHL3-CUL3複合体によるユビキチン修飾後、プロテアソームによる分解だけでなく、p62を介した選択的オートファジーによる制御も受けており、PHAIIではオートファジーによるWNK4の分解も阻害されていることが示された。
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