本研究は腎臓における生理的小胞体ストレス応答の役割を明らかにするために、小胞体ストレスセンサータンパク質の活性化に係る分子に着目した。得られた研究成果は、(1)小胞体ストレスセンサータンパク質の活性化に寄与する分子を複数同定した、(2)これらの分子の機能を調整することで、生理的小胞体ストレス応答の破綻の改善が、in vitro、in vivoで細胞傷害・細胞死を緩和した、(3)同定した分子と小胞体ストレスセンサータンパク質は相互作用し、ストレス条件下だとその結合が増強された。このことから、正常な生理的小胞体ストレス応答の誘導の維持は、ストレスから腎細胞の保護に寄与することが示唆された。
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