慢性腎臓病(CKD)では早期から骨格筋変調を伴い身体能力が低下する(腎筋連関)。軽度CKDモデルである5/6腎摘マウスでは、骨格筋ミトコンドリア減少(マイトペニア)を伴う持久力低下が骨格筋量と筋力の低下に先行した。マイトペニアの一因としてCKD早期から上昇するTNF-αの関与が示唆された。消化管ホルモンであるアシルグレリン投与にて、5/6腎摘マウスの骨格筋量と筋力は増加し、さらにエピゲノム制御を介したPGC-1α遺伝子発現増加に伴いマイトペニアと持久力を改善した。一方、代表的な筋肉増強因子であるIGF-1では骨格筋量と筋力を増加したが、マイトペニアは改善せず、持久力改善は不十分であった。
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