組織型トランスグルタミナーゼ(TG2)は,線維化や炎症の惹起に関与する。TG2特異的高反応性基質ペプチドを用いた腎生検組織上のTG2活性の検出法を確立し,ヒト腎生検組織(n=241)を検討した。IgA腎症(IgAN)の54%(n=65),ループス腎炎(LN)の58%(n=40),IgA血管炎を含む二次性IgANの64%(n=11)にメサンギウム領域のTG2活性を検出した。IgANにおいてメサンギウム領域のTG2活性は,蛋白尿及びOxford分類のメサンギウム細胞増多(M)に関連し,LNでは血尿と組織学的活動性に関連した。TG2活性の検出は,新規病理診断法として有用な可能性がある。
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