研究課題/領域番号 |
26860654
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
廣谷 真 北海道大学, 大学病院, 助教 (60399920)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 多発性硬化症 / innate T細胞 |
研究実績の概要 |
この研究の目的は(1)多発性硬化症(MS)患者のinnate T細胞の機能解析を行い、その病態との関連を理解すること、(2)さらにその解析をすすめてこれを将来の細胞治療や創薬の標的として利用するため、iPS細胞からinnate T細胞を文化誘導し、その機能解析を行うことにある。 MS45例と健常コントロール45例、疾患コントロール30例を対象とし、対象者から末梢血液を採取し、innate T細胞を中心とする単核球における発現抗原やサイトカイン産生を測定することを目標としている。これらの検討によりMSにおけるinante T細胞の機能を検討し、さらには将来の細動治療や創薬の標的として利用することを目標としている。平成26年度は新たにMS10例での単核球における発現抗原やサイトカインの産生を測定しており、これまでの症例数と合計し、MS30例、健常コントロール10例、疾患コントロール10例の解析を行っている、現状のデータのみでではさらなる症例数の蓄積が必要であることから統計学的な検討は行っておらず、平成27年度分の課題としている。 MS臨床像の変化の要因として食生活の欧米化も挙げられており、近年注目されている腸管免疫ではinnate T細胞が重要な役割を果たしていることから、将来的には腸管免疫が中枢神経免疫へ与える影響について探索し、腸内細菌叢を変化させることでMSを予防する「プロバイオテクス」につなげたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究に同意いただける患者数が予想以上に少ないことに原因があると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
多くの患者に本研究の趣旨をより理解していただけるよう、説明文書への工夫修正を追加し、多くの同意をいただく。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例数が十分に集まらず、表面抗原やサイトカイン測定に要する試薬などの購入を行っていないため。
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次年度使用額の使用計画 |
当初の2年間で予定した症例数に近づき、表面抗原やサイトカイン測定などに助成金を適切に使用できるよう努める。
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