研究課題
比較的均一な患者群と考えられるGBAヘテロ接合体変異を持つ孤発性パーキンソン病(PD)患者よりiPS細胞を樹立する目的で、京大病院通院中の患者約130名のGBA遺伝子のシークエンスを行った。L444P、R120W、c.1447_1466delinsTGなど6名のGBA変異PD患者を同定した。うち、RecNci1、L444P、R120W変異PD患者についてiPS細胞を樹立した。iPS細胞の遺伝子修復によるisogenic control作製について、まずHEK293細胞にてpilot研究を行った。CRISPR/cas9によるゲノム編集のため、L444をtargetとしたguide RNAを設計しcas9 plasmidとともにtransfectionを行い編集を試みた。結果、10%程度の確率でゲノムの改変を確認した。今後iPS細胞でのゲノム編集を試みる予定である。iPS細胞由来ドパミン神経細胞の純化について、corinによるsortingは回収率が低いため、dopamine transporterの細胞外loopに対する抗体を用いてsortingの可能性を検討中である。
3: やや遅れている
iPS細胞の遺伝子修復によるisogenic control作製について、まずHEK293細胞にてpilot研究を行ったが、ゲノム編集の成功率が10%程度と想定外に低く、iPS細胞でのゲノム編集に困難が予想された。また、iPS細胞由来ドパミン神経細胞の純化について、corinによるsortingは回収率が低いことが判明した。
iPS細胞の遺伝子修復によるisogenic control作製について、まずHEK293細胞にてより効率の良いゲノム編集を模索し、L444P以外にr120Wもtargetとしてゲノムの改変を行う。また、健常siblingからのiPS作製も視野に入れて研究を進める。iPS細胞由来ドパミン神経細胞の純化については、corin以外にdopamine transporterの細胞外loopに対する抗体を用いてのsortingを行っていく。
ゲノム編集によるiPS細胞のisogenic control作製に遅れが認められたため、マイクロアレイなどによる網羅的解析を行っていないことが大きな理由の一つである。
マイクロアレイによるRNAやタンパク質の網羅的解析に予算を使用する予定である。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (1件)
PLOS Genetics
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