研究課題/領域番号 |
26860671
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
中垣 岳大 長崎大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (80722917)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | FK506 / オートファジー / プリオン病 / 神経変性疾患 |
研究実績の概要 |
我々は免疫抑制剤FK506が異常型プリオンタンパク(PrPSc)の分解経路とされるオートファジーを活性化することでプリオン病の治療薬となり得ることを報告した。今回、最もよく知られているオートファジー活性化経路(AKT/mTOR経路)の阻害剤をプリオン感染細胞に添加してその治療効果を比較検討した。 オートファジーを阻害するとPrPScが増加し、FK506の抗プリオン効果も認められなくなることから、PrPScがオートファジーによって分解されていると考えられる。今回、6種類のオートファジー活性化剤をプリオン感染細胞に添加したが、一つだけPrPScを減少させる化合物があった。現在、この化合物がオートファジーの活性化を介してPrPScを減少させているのか検討中である。また、この化合物と効果のなかった化合物のオートファジー活性化経路を比較しているところである。 さらに、FK506のオートファジー活性化の経路を探索するべく、AKT,calcineurinなどのプラスミドをプリオン感染細胞に導入し、PrPScの増減を検討したが、特に変化は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FK506のオートファジー活性化経路について主にDNAプラスミドを用いて探索を行っているところだが、今のところ確証は得られていない。プラスミドがこちらの思っているような活性を示していない可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
FK506のオートファジー活性化経路について新たに作成したプラスミドを用いて検討を行う。また、既知のオートファジー活性化剤と比較してオートファジー活性化の程度、活性化に要する時間などとPrPScに対する効果を比較検討する。 また、プリオン感染細胞でPrPScを減少させる働きのあった化合物をプリオン感染マウスに投与して治療効果を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初めに予定していた物品はおおよそ購入したが、端数が余ってしまった。
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次年度使用額の使用計画 |
研究を遂行するために必要な物品(実験ノートや文房具など)を購入する予定である。
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