研究課題
【マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)によるトランスサイレチン(TTR)アミロイド分解能の解析】家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)におけるアミロイド前駆タンパク質であるTTRを酸性条件下および中性条件下でインキュベーションしアミロイド線維の作成を行った。透過型電子顕微鏡、チオフラビンT蛍光強度法によりアミロイド線維形成を確認した後、in vitroでMMPのアミロイド分解能の評価を行った。ウエスタンブロッティングを用いた検討では、TTRアミロイド線維の分解を示唆する所見が得られ、フィルターメンブレンを用いたドットブロット法および透過型電子顕微鏡による確認実験を進行中である。【線維芽細胞の形質変化によるアミロイド線維分解能の変化】FAP患者由来および健常人由来の皮膚線維芽細胞の初代培養を行い、TGF-βによる筋線維芽細胞の誘導を行った。筋線維芽細胞への形質変化は、アクチンフィラメントの蛍光免疫染色、および透過型電子顕微鏡により行った。また、筋線維芽細胞への形質変化によるMMP発現量の変化を確認した。さらに、過酸化水素および過剰継代による細胞老化を誘導した。これら、種々の形質を有する線維芽細胞に、野生型TTR、異型TTR(Val30Met)、および断片化TTR(TTR81-127)によるアミロイド線維を添加した際の、TTRアミロイド線維の細胞内取り込み能、および分解能について解析中である。【FAP患者組織における筋線維芽細胞の局在】FAP患者の剖検および生検組織を用いて、alpha smooth muscle actinによる免疫染色の後、同一切片でコンゴレッド染色を行い、筋線維芽細胞の局在と、アミロイド沈着の関連を解析した。特に、心筋の弁組織、消化管粘膜下組織、皮下組織などで筋線維芽細胞と、アミロイド沈着の近接性が観察された
2: おおむね順調に進展している
【マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)によるトランスサイレチン(TTR)アミロイド分解能の解析】野生型TTR、異型TTRおよび断片化TTRによるアミロイド線維形成と評価が順調に進行し、MMPによるTTRアミロイド分解の定量的評価法が確立できているため。【線維芽細胞の形質変化によるアミロイド線維分解能の変化】家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)および患者由来の線維芽細胞が得て、各種誘導法により形質変化を誘導した線維芽細胞のモデルを確立でき、TTRアミロイド線維の添加実験へ進めることができているため。【FAP患者組織における筋線維芽細胞の局在】FAP患者の剖検および生検組織を得て、筋線維芽細胞の特異的免疫染色およびアミロイド線維の特異的染色を二重染色する実験系を確立でき、種々の組織で、筋線維芽細胞と、アミロイド沈着の近接性を確認することができたため。
【マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)によるトランスサイレチン(TTR)アミロイド分解能の解析】MMPのTTRアミロイド線維分解について、濃度依存性、時間依存性などの詳細な検討を行う。【線維芽細胞の形質変化によるアミロイド線維分解能の変化】作成した種々の形質変化を誘導させた線維芽細胞によるTTRアミロイド線維の細胞内取り込み能、および分解能について解析を進める。【家族性アミロイドポリニューロパチー患者組織における筋線維芽細胞の局在】筋線維芽細胞の定量評価と正常コントロール組織との比較、さらにアミロイド沈着と筋線維芽細胞との近接性の統計学的解析を行う。
線維芽細胞をより生体内に近い培養環境を実現するために最適化した三次元細胞培養を必要があり、細胞培養関連費用を計上しているが、種々の方法による三次元細胞培養方法による条件設定を行っている過程であるため、本年度中の細胞培養関連費用が未使用であったため。
平成27年度は、三次元培養実験を本格的に行うため、細胞培養関連費用として使用する計画である。
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