孤発生封入体筋炎の筋病理学的特徴には炎症所見と縁取り空胞を含む変性所見があげられる。近年、TDP-43が孤発性封入体筋炎の変性筋において凝集することが報告されているが、筋形質内でのTDP-43の凝集が一次的に筋変性を生じるのか、副次的に筋変性の結果生じる現象なのか明らかになっていない。そこで骨格筋特異的にTDP-43を過剰発現するマウスを作成し、TDP-43が筋変性を生じさせうるか検証した。TDP-43過剰発現マウスにおいては体重減少、CK上昇に加えTDP-43の筋形質内凝集、空胞様変化を認めた。またTDP-43は蛋白分解経路関連蛋白や小胞体ストレス蛋白と関連し筋変性を生じる可能性が示された。
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