研究課題/領域番号 |
26860675
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
村上 丈伸 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (00403428)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アルツハイマー病 / 経頭蓋磁気刺激法 / 認知機能訓練 |
研究実績の概要 |
アルツハイマー病は認知症の中で最も有病率が高い疾患であり、早急な治療的、予防的介入が求められている。現在のところ薬物的治療が本疾患の主要な治療法であるが、十分な効果が得られていない。本研究では経頭蓋磁気刺激法と認知機能訓練とを組み合わせた方法による、新たな治療法の開発を目指す。経頭蓋磁気刺激を局所脳領域に行うことで、大脳興奮性を増大させ、認知機能訓練を行うことで、訓練による認知機能がより効果的に改善するのではないかと考えている。 軽度から中等度アルツハイマー病患者を対象とする。まず治療介入前の認知機能評価、脳機能画像検査を行う。治療群は認知機能訓練と磁気刺激とを組み合わせた治療を行い、対照群は認知機能訓練と偽刺激を行う。アルツハイマー病の中核症状に関連する脳領域に対して長期促通様効果を引き起こす経頭蓋磁気刺激を行う。特に言語領域(ブローカ野に相当する左下前頭回、ウェルニッケ野に相当する左後部上側頭回)を対象とする。認知機能課題としては、文法課題(ブローカ領域への課題)、文章理解やカテゴリー分類(ウェルニッケ領域への課題)を行う。さらに視覚聴覚統合機能を評価するマガーク課題を行う。 これまでに文法課題と文章課題、視覚聴覚統合機能を評価するマガーク課題とを作成した。現在は実際に健常成人を対象として課題を施行し、難易度の調整を行っている。並行して本研究の対象となる、軽度から中等度の未治療アルツハイマー病患者の選定を行っている。2015年3月より脳機能画像検査を行うことができるようになったので、画像検査を行い、本研究を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では治療介入前に脳機能画像検査を行う計画であったが、当施設でのPET-MRI機器を用いての脳機能画像撮影ができなかったため、研究を進めることができなかった。また認知機能訓練として用いる予定であったNeuroADが、予算の都合上、購入できなかったため、認知機能課題を作成する必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
H27年3月より脳機能画像撮影が可能となったので、研究を進めていくことができると考えている。またNeuroADの代替として、文法課題や文章課題、マガーク課題といった言語課題を作成し、それを認知機能訓練課題として使用する方針としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
PET-MRI機器を用いての脳機能画像撮影ができなかった。また認知機能訓練として用いる予定であったNeuroADを購入できなかった。そのため本年度中に予定していた研究を遂行できず、次年度に持ち越すことになったから。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度予定していた研究として、対象患者の認知機能評価と脳機能画像検査を行い、経頭蓋磁気刺激法と認知機能訓練とを組み合わせた方法を遂行する。
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