経頭蓋磁気刺激法(TMS)と認知機能訓練とを組み合わせたアルツハイマー病の非薬物的治療法を確立することを目指して本研究を行った。健常成人を対象として、認知機能課題としてマガーク課題(「バ」の音声を「ガ」と発声している映像と一緒に視聴すると、別の「ダ」の音声と認識する)を行った。機能的MRIにより前頭葉の活動がマガーク効果を制御することがわかった。またTMSを口領域の運動野に行うと、マガーク効果が抑制された。以上の結果より、前頭葉のネットワークがマガーク効果の制御に関与することが示唆された。本研究結果をもとにして、TMSと認知機能訓練とを組み合わせた新たな非薬物的治療法の確立を進めていきたい。
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