前年度に引き続き、インフラマソーム関連タンパク質(ASC、NLRP3)の発現を免疫組織化学的に解析を進めた。対象疾患である封入体筋炎と、他の炎症性筋疾患(皮膚筋炎、多発筋炎)、筋ジストロフィー(デュシャンヌ型筋ジストロフィー、ジストロフィノパチー)、先天性ミオパチー(ネマリンミオパチー)の凍結生検筋での解析結果を比較して、インフラマソームの発現亢進の特異性を検証することに力点を置いた。 先天性ミオパチー以外の凍結筋組織では、インフラマソーム関連タンパク質の発現が筋細胞上に認められ、その発現亢進が封入体筋炎に特異的な現象と結論づけるには至らなかった。 また封入体筋炎の中でも、C型肝炎ウイルス感染症合併の有無で、インフラマソーム関連タンパク質発現に差異がないかを検証したが、明らかに有意な差は認められなかった。
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