• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

メタボリックシンドロームにおけるリピドミクス解析~高感度中性脂肪測定系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26860686
研究機関秋田大学

研究代表者

上野 紀子  秋田大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (90546631)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード質量分析 / 中性脂質 / トリアシルグリセロール / リピドミクス
研究実績の概要

本研究は、心血管、脳血管障害の基盤となるメタボリックシンドロームにおける脂質代謝の変動を解明する事が目的である。そのために、中性脂質(トリアシルグリセロール(TAG))分子種の高感度測定系を作成し、コレステロールエステル、リン脂質の各分子種と合わせ一斉測定系を確立し、メタボリックシンドロームの病態における脂質変動を見出すことで、病因の解明および薬物治療への貢献、バイオマーカーの発見を目指すものである。
そのために、まず高感度なトリアシルグリセロール分子種の測定系を液体クロマトグラフィー(LC)と質量分析計(MS)を用い確立することを目標とした。初年度は様々なカラムや溶媒、グラジェント条件を試みTAG分子種の分離度を0.6程度から1.0前後まで向上させることに成功した。またMSのスケジュールドMRM法を用い測定上の分離および高感度化することが出来た。これらのメソッドにTAG分子種の他、リン脂質、コレステロールエステル、ジアシルグリセロールなどの分子種も測定できるように1357のMRMチャネルを適応し、多様な脂質の一斉測定を可能にした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画で初年度に施行予定の下記の実験は予定通り進んでいる。
1.LC-MS/MS を用いた脂溶性代謝物の網羅的一斉分析法の確立
(1)LC-MS/MS を用いたトリアシルグリセロール(TAG) 分子種の高感度測定法の確立
(2)高感度TAG 測定法とリン脂質、コレステロールエステル測定法を組み合わせた網羅的測定法の確立
施行状況として(1)に関しては、過去の研究者が成し得なかった困難が予想されたTAGのLCによる分離について、様々なカラム、溶媒などを用い検討したところ、プリカーサーイオンにおいて分離度0.5-0.6程度の悪いピーク分離を1.0前後まで改善することに成功した。また、予定通りMRM法によるMS測定上の分離も出来た。(2)に関しても、(1)で作成したLCと組み合わせ全1357 MRMチャネルを測定メソッドとし、TAGのみならず、リン脂質やコレステロールエステル、ジアシルグリセロールなどを含めた一括測定系を構築した。

今後の研究の推進方策

研究計画では、メタボリックシンドロームモデルマウスにおける脂質解析と遺伝子解析を行う予定であったが、ヒトのメタボリックシンドローム患者のサンプルが入手できそうなため、臨床応用を考えた時にマウスより良いヒトサンプルでの検討を優先する。ヒトサンプルの入手が困難になった場合、当初の予定通りモデルマウスを作製し脂質解析と遺伝子解析を行うこととする。

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi