肝糖代謝調節において、中枢神経から迷走神経を介した制御メカニズムの重要性が指摘されている。中枢神経インスリン作用による肝糖代謝制御に、迷走神経とクッパー細胞が関与することが報告されているものの、その分子メカニズムは十分に明らかにされていない。代表者は、1)視床下部がインスリンを感知すると、肝臓へ分布する迷走神経の活動が低下すること、2)視床下部のインスリン作用による肝臓IL-6発現の増加は、α7ニコチン性アセチルコリン受容体(α7nAChR)を介したクッパー細胞活性抑制の減弱により誘導されること、3)肥満では視床下部のインスリン作用での迷走神経の活動変化が消失することを明らかにした。
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