研究課題
以前われわれは当教室で作製したGIP-GFPヘテロノックイン (GIP gfp/+)マウスからGIPを分泌するK細胞を単離し、転写因子Regulatory factor X, 6 (Rfx6) がK細胞におけるGIPの転写制御に関与していることを報告した (Suzuki K, et al., J Biol Chem 2013)。申請者らは同様の手法を用いて、脂肪酸結合タンパク5 (FABP5) がK細胞に高発現していることを新たに見出し、さらにFABP5はK細胞における脂肪誘導性のGIP分泌に関与していること、さらにFABP5ノックアウト(FABP5-/-)マウスを用いた実験から、高脂肪食投与下においてFABP5が食事誘導性肥満をGIP依存性に制御していることを明らかにし、報告した(Shibue K et al., Am J Physiol Endocrinol Metab 2015)。
3: やや遅れている
平成26年度に予定していたRfx6マウスを用いた解析に関しては、譲渡に関する手続きの遅延からいまだ着手できていない。一方で、平成27年度に予定している、Rfx6による転写調節機構の解析・Rfx6の発現調節機構の解析に関しては、腸管内分泌細胞培養株を用いた検討を進めると同時に、上述のFABP5とRfx6との関連に関しても検討を行っており、予定通り遂行できる見込みである。
当初の実験計画に則り、通常食摂取、高脂肪食負荷肥満マウスから単離したK細胞の遺伝子発現プロファイルを比較することにより、脂肪摂取もしくは肥満状態によるRfx6発現制御機構への関与が疑われる分子に関しては、細胞株(STC-1)を用いてK細胞における機能・Rfx6発現との関連性を解析する。脂質摂取・肥満によるRfx6の発現制御機構を明らかにすることで、GIP分泌制御を介した新たな肥満治療への応用の可能性を探索する。
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Am J Physiol Endocrinol Metab
巻: 308 ページ: E583-591
10.1152/ajpendo.00543.2014. Epub 2015 Jan 27.
Endocrinology
巻: 156 ページ: 837-846
doi: 10.1210/en.2014-1653. Epub 2014 Dec 23.