研究課題
本研究の目的は膵部分切除後の膵β細胞増殖シグナルを解明し、膵β細胞量を回復させる2型糖尿病治療法へ応用することである。膵切除後の膵β細胞量増加はこれまで膵β細胞増加に必須であると考えれられていたインスリン受容体基質(IRS)-2に非依存的であることを明らかにした(TogashiY. et al. endoclinology. 2014)。更に、IRS-2欠損マウスにおいて再生後の膵β細胞が正常な機能を有することを示した。現在経口血糖降下薬を用いてIRS-2非依存性の膵切除後膵β細胞増殖において高血糖が及ぼす影響について検討を行っている。膵切除後膵β細胞において発現が変化する遺伝子群を同定した。膵切除後膵β細胞で発現が著しく上昇するBub1とMelkについて、膵切除後β細胞増殖を欠く高齢マウスにおいて発現が低下していることを見出した。現在Bub1とMelkのクローニングを行い、今後は単離膵島や膵β細胞株における過剰発現および発現低下を行い解析を行う。更に、現在経口Melk阻害剤であるOTSSP167投与により膵切除後膵β細胞増殖能におけるMelkの役割について解析中である。
3: やや遅れている
遺伝子のクローニングに当初の予定より時間を要し、Bub1とMelkの単離膵島および膵β細胞株における機能解析が未実施であるためやや遅れているとした。
膵切除後の膵β細胞増殖におけるBub1とMelkの役割について解析を行う。引き続き単離膵島やβ細胞株のを用いた解析に取り組むとともに、阻害剤の使用により個体での解析を進めていく。
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