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2015 年度 実績報告書

膵切除モデルにおける新規膵β細胞増殖機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26860698
研究機関横浜市立大学

研究代表者

富樫 優  横浜市立大学, 医学部, 助教 (10710444)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード糖尿病 / 膵β細胞 / 再生
研究実績の概要

膵切除後の膵β細胞増殖におけるIRS-2の役割を検討するため、野生型およびIRS-2欠損マウスに膵部分切除を行い膵β細胞増殖能およびインスリン分泌能について解析した。膵切除後、野生型マウスは正常血糖を維持するが、IRS-2欠損マウスは高血糖を来したため、膵切除後に血糖降下薬を投与し血糖を正常化したIRS-2欠損マウスを解析することにより、膵切除IRS-2欠損マウスの膵β細胞増殖能、機能における高血糖の意義について検討した。
膵切除後IRS-2欠損マウスは著明な高血糖とインスリン分泌障害を認め、高血糖を是正するとインスリン分泌能が改善した。一方、単離膵島のインスリン分泌能は高血糖是正の有無に関わらず膵切除IRS-2欠損マウスにおいても障害を認めなかった。すなわち、膵切除IRS-2欠損マウスのインスリン分泌障害は高血糖環境による影響であり、再生膵島の機能障害は示唆されなかった。
IRS-2欠損マウスは膵切除後、野生型と同等の膵β細胞量増加、膵β細胞増殖能亢進を認めた。さらに、膵切除IRS-2欠損マウスの膵β細胞増殖能は高血糖是正により低下しなかった。すなわち、膵切除後の膵β細胞増殖はIRS-2を介したインスリンシグナル非依存的であり、これは血糖上昇に依存しなかった。
以上より、膵部分切除後の膵β細胞増殖はIRS-2を介したインスリンシグナル非依存的であり、高血糖によるグルコースシグナルの亢進にも依存せず、膵β細胞増殖後のインスリン分泌能は正常に保たれることが示唆された(Togashi Y. et. al. endocrinology. 2014)。このインスリンシグナル非依存的な膵切除後膵β細胞増殖機構は、インスリンシグナルの低下した糖尿病患者において膵β細胞を増やし、インスリン分泌能を回復させる治療法へ応用が期待できる。
現在は膵切除後の膵島遺伝子発現マイクロアレイにより同定したMelkについて、阻害剤OTSSP167を用いて、膵β細胞量および機能に関する役割を解析中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 膵部分切除マウスによる新規膵β細胞増殖シグナルの探索2016

    • 著者名/発表者名
      富樫 優、白川 純、田島 一樹、折目和基、寺内 康夫
    • 学会等名
      第30回日本糖尿病・肥満動物学会.
    • 発表場所
      大宮ソニックシティホール(埼玉県さいたま市)
    • 年月日
      2016-03-11 – 2016-03-12
  • [学会発表] 膵部分切除マウスによる膵β細胞増殖シグナルの探索2015

    • 著者名/発表者名
      富樫 優、白川 純、奥山 朋子、吉田 瑛子、京原 麻由、山崎 俊介、井上 英昭、折目 和基、伊藤 譲、寺内 康夫
    • 学会等名
      第58回日本糖尿病学会年次学術集会
    • 発表場所
      海峡メッセ下関(山口県下関市)
    • 年月日
      2015-05-21 – 2015-05-24

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公開日: 2017-01-06  

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