飽和脂肪酸はマクロファージにおいて危険シグナルの認識機構であるNLRP3インフラマソームを活性化し, IL-1betaの放出を引き起こす.しかしながら,その詳細な分子機序は明らかになっていなかった.本研究では,飽和脂肪酸によるNLRP3インフラマソームの活性化が不飽和脂肪酸により抑制されることを明らかにした.また,不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸により引き起こされるリソソーム傷害から保護することが明らかになった.これらの結果から飽和脂肪酸過多の脂肪酸組成はリソソーム傷害を介してNLRP3インフラマソームが活性化することが示唆された.
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