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2017 年度 実績報告書

2型糖尿病患者における重症低血糖が及ぼす臨床的影響

研究課題

研究課題/領域番号 26860701
研究機関国立研究開発法人国立国際医療研究センター

研究代表者

辻本 哲郎  国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医員 (60721743)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードβ遮断薬 / 低血糖 / 糖尿病 / 心血管イベント
研究実績の概要

糖尿病患者のマネージメントは糖尿病関連合併症を予防することが主要な目的である。適切な血糖コントロールが合併症を予防するが、Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes (ACCORD)試験において厳格な血糖管理が全死亡や心血管死を増加させうることが明らかになった。その結果は、血糖を低下させることで心血管イベントや死亡リスク上昇と関連する低血糖頻度が増加することが原因として考えられている。最近の我々の研究においてβ遮断薬は重症高血圧や低カリウム血症などの重症低血糖発症後の悪影響を予防もしくは減弱させ、重症低血糖が関連する不整脈や死亡が減らせるかもしれないことが示されている。しかし、β遮断薬は重症低血糖の発症リスクになりうることから、この結果は必ずしもβ遮断薬の使用が糖尿病患者に有効であるということを意味しない。そのため、我々はβ遮断薬の使用が糖尿病患者にとって有効かどうか、また、β遮断薬の使用が重症低血糖の発症リスクを上昇させるかどうかについて調査し結果を高血圧のトップジャーナルであるHypertensionで発表した。ACCORD試験のデータを用いて糖尿病患者におけるβ遮断薬の使用と心血管イベント、全死亡や心血管死、重症低血糖との関係を評価した。その結果、心血管イベントリスクはβ遮断薬使用群が非使用群より有意に高かった。また、全死亡リスクに関しては有意な差は認めなかったが、心血管死のリスクに関してはβ遮断薬使用群が非使用群より有意に高かった。本研究の結果からβ遮断薬の使用は心血管イベントのリスクを増加させる可能性が示唆された(Hypertension 2017;70:103-110)。今回の我々の研究結果は糖尿病診療に大きく貢献すると考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Risk of Cardiovascular Events in Patients With Diabetes Mellitus on β-BlockersNovelty and Significance2017

    • 著者名/発表者名
      Tsujimoto Tetsuro、Sugiyama Takehiro、Shapiro Martin F.、Noda Mitsuhiko、Kajio Hiroshi
    • 雑誌名

      Hypertension

      巻: 70 ページ: 103~110

    • DOI

      10.1161/HYPERTENSIONAHA.117.09259

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 糖尿病患者におけるβ遮断薬のリスクとベネフィット2017

    • 著者名/発表者名
      辻本 哲郎
    • 学会等名
      第60回日本糖尿病学会年次学術集会シンポジウム
    • 招待講演

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公開日: 2018-12-17  

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