褐色脂肪は糖尿病治療のための刺激標的として注目されている。しかし、その評価法が放射線被曝を伴うPET/CTに限られるため、刺激法の探索研究が進んでいない。本研究では、近赤外時間分解分光法(NIRS-TRS)を用いて被爆なしで褐色脂肪の個人内変動を評価することに成功した。褐色脂肪活性は寒冷誘導熱産生能の個人内変動を規定していた。260例を対照とした多変量解析により、褐色脂肪が体脂肪依存的のみならず、非依存的にも糖代謝を制御することが示唆された。さらに、ローヤルゼリーが新規の褐色脂肪活性化成分であることを突き止めた。以上の結果は、褐色脂肪を標的とした糖尿病予防法の開発に役立つことが期待できる。
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