研究課題
これまでの申請者の検討により、高脂肪食負荷誘発肥満モデルマウスでは、強いうつ状態、認知機能の低下、過食が認められている。申請者は、palatable foodを慢性的に摂取する結果、代謝の変化が生じ、末梢のエネルギー状態を中枢神経系に伝える因子により、脳内に共通の変化がおこり、障害される部位や系により、phenotypeとして様々な精神神経機能の変容が認められるようになる、と考えた。本研究では、中でも、肥満者での空腹感の意義づけに注目し解析を行った。①報酬価値評価系の確立:マウス個体での食べ物の報酬価値を評価する行動解析(progressive ratio)の系を、共同研究者である、相模女子大学後藤和宏らの研究室にて野生型マウスの基礎データを得た。②空腹感制御機構解析モデルの確立:脂肪からの離脱の検討のため絶食再摂食、Sucroseからの離脱の検討のため、Two-bottle preference testを行い、マウスの代謝パラメーターの評価および脳内の変化を解析した。③肥満症脳内変化のメカニズム解析:19週間高脂肪食負荷を行ったマウスと正常食を負荷したマウスの視床下部および海馬マイクロアレイを行ったところ、視床下部だけでなく、海馬においても炎症系のpathwayに変化が認められていた。一方で、視床下部と海馬の変化のパターンに大きな違いがあり、個別のmRNA解析に加え、その違いの原因について解析を行った。さらに、高脂肪食負荷の負荷期間のタイムコース、および、これまで検討できていなかったage-matched(解析週齢を30週齢に揃え、高脂肪食負荷開始時期を替えた)のタイムコースを検討した。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (3件)
Neuropeptides
巻: Epub ahead of print ページ: xxx
10.1016/j.npep.2017.04.004.
Peptides
巻: 81 ページ: 38-50
10.1016/j.peptides.2016.03.014.