バセドウ病の薬物療法に広く用いられる抗甲状腺薬 6-propyl-2-thiouracil(PTU)と 2-mercapto-1-methilimidazole(MMI)は共にTPO活性阻害を介し甲状腺ホルモン合成を抑制するが、その他の作用は全く異なる。我々はTSH非存在下におけるPTUのNIS発現誘導作用を明らかにしてきた。本研究ではさらにTSH存在下でも多くの甲状腺機能遺伝子がPTUとMMIによる発現調節を受け、中でも甲状腺ホルモン合成過程に重要な役割を果たす脱ヨード酵素遺Dehal1がPTUとMMI により抑制される事、またPTUによるそれはTSH存在下のみで発現する事を明らかにした。
|