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2015 年度 実施状況報告書

25(OH)D3によるガン細胞増殖抑制に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26860714
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

宗綱 栄二  藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (30600431)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードビタミンD
研究実績の概要

前年度の結果から25(OH)D3が活性型に変換されることなく、ビタミンD受容体に直接結合し作用することがやはり強く示唆されたので、本年度はこの現象の分子メカニズムについて調べた。マイクロアレイの結果より、シスタチンやセマフォリンといった増殖抑制作用があるタンパクに注目した。これらの分子はビタミンDとの関連が指摘されていない分子である。興味深い事ことに、ビタミンD増殖抑制作用が見られるPZ-HPV-7細胞ではシスタチン、セマフォリンの転写はビタミンD処理により増加した。しかし、増殖抑制作用が観察されないDU-145細胞では転写活性化は観察されなかった。この影響がDNAのメチル化やヒストン修飾によるものではないかと考え、DU145細胞にDNAメチル化阻害剤の5azaシチジンを作用させたところ、処理後24時間後には約2倍にセマフォリンmRNA量が増加していた。これにビタミンDを作用させると約4倍に増加した。同様にヒストン脱アセチル化阻害剤を作用させたところ、4倍に、さらにビタミンDを作用させると約8倍に転写が活性化された。同様の結果はシスタチンでも観察された。これら一連の実験から、ビタミンDによる増殖抑制がみられない細胞では、シスタチンやセマフォリンのプロモーター部位はメチル化され、ビタミンDレセプターがDNAに結合できないのではないかと考えている。またシスタチンやセマフォリンのプロモーター部位のメチル化率を測定するためにパイロシーケンサーを用いて解析中であるが、まだ実験条件が確立できず、うまくはかれていない。来年度は引き続きメチル化率の解析を行いたい。またこれら分子を過剰発現させ、実際に細胞増殖抑制が見られるかも確認しないといけない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

セマフォリン、シスタチンのメチル化解析がうまくいかず時間がかかってしまっている。
今後は過剰発現細胞の構築など、他の実験と並行して進めて行く。

今後の研究の推進方策

概ね計画書通り進めていく。
ビタミンDレセプターがリガンド結合なしで核内移行する現象が見られたので、
このことが増殖抑制とどのように関わっているかも含めて順次解析していく。

次年度使用額が生じた理由

予定している実験に用いる試薬 (リアルタイムPCR試薬など)や抗体をまだ購入していないため差額が生じている。

次年度使用額の使用計画

必ず必要となる試薬なので、上記未購入品に充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Metabolism and Action of 25-Hydroxy-19-nor-vitamin D3 ih human prostate cells2016

    • 著者名/発表者名
      Munetsuna E, Kittaka A, Chen TC, Sakaki T
    • 雑誌名

      Vitamins and Hormones

      巻: 100 ページ: 357 - 77

    • DOI

      10.1016/bs.vh.2015.10.009

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2017-01-06  

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