研究代表者は、ある新規遺伝子のホモ変異ES細胞株が著しい血球分化障害を示すことを見出しており、本課題においてはこの遺伝子のコンディショナルノックアウトマウス(以下cKOマウス)を作製してその表現型を解析した。Vav1-creを使用したcKOマウスは胎生後期に著名な貧血を示し致死であった。胎生14.5日肝においては赤芽球の減少を認め、造血幹/前駆細胞分画のコロニー形成能が著名に低下していた。 この遺伝子産物は核蛋白であり、変異型細胞において細胞周期制御やアポトーシスに関与する遺伝子の発現上昇を認めた。さらに、cKOマウスの胎生14.5日肝由来の造血幹/前駆細胞は培養中にアポトーシスを認めた。
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