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2014 年度 実施状況報告書

骨髄線維症における難治性病態の分子メカニズム解明とその克服

研究課題

研究課題/領域番号 26860738
研究機関宮崎大学

研究代表者

幣 光太郎  宮崎大学, 医学部, 助教 (20468028)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード骨髄線維症
研究実績の概要

骨髄線維症(myelofibrosis:MF)の予後は不良であり、新規治療法の開発が切望されている。MFで活性化しているチロシンキナーゼJAK2を標的とするJAK2阻害薬の臨床試験では、画期的治療効果が認められた一方、JAK2阻害薬に抵抗性の難治性病態も明らかになった。本研究では、MFモデルマウスを用いてMFの難治性病態の分子メカニズムを明らかにし、克服のための新規治療標的を同定する。以下の3つにテーマについて研究を進めている。
1)骨髄線維化のメカニズム解明と治療標的同定:JAK2阻害薬抵抗性の病態の1つである骨髄線維化について研究を進めた。平成26年度はMFで高頻度に見られるJAK2V617F変異が転写因子USF1の転写能亢進を介して骨髄線維化のキー分子であるTGFb1の過剰産生を誘導していることを明らかにした。またUSF1転写能亢進にはMAPK経路が重要であり治療標的になることをマウスモデルを用いて明らかにした。
2)TYK2の機能解析による貧血・JAK2阻害剤耐性機序の解明:JAK2阻害薬抵抗性の病態である貧血について、また変異細胞の耐性獲得について研究を進めている。TYK2が貧血の誘導、耐性獲得に関与しているという仮説のもとに、JAK2変異マウスとJAK2変異/TYK2欠損マウスの表現型比較を進めている。平成26年度は、JAK2V617F発現マウスとTYK2 KOマウスを交配しJAK2変異/TYK2欠損マウスの作成に成功した。しかし繁殖力が弱いため十分な数の確保に難があり、交配ペア数などに見直しを加えた計画で研究を進めている。
3)エピゲノム異常がJAK2標的治療に与える影響の解明:エピゲノム異常がJAK2阻害剤治療に与える影響を評価するプラットフォームとして、平成26年度はJAK2変異/TET2欠損マウスを作成し、その表現型をJAK2変異単独のマウスと比較解析し、その成果を報告した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

3つのテーマのうち1つについては、一定の成果が得られており、成果の論文化が今年度中に可能と考えている。残り2つのテーマについても最終的な目標は達成できていないが、成果の1部を論文として発表しており、また解決すべき課題も明確になっている。

今後の研究の推進方策

組換えマウスの繁殖に関するものなど、平成26年度で明らかになった課題を解決する方策を講じ、平成27年度の研究計画に生かして計画を速やかに遂行するべく努力する。平成27年度内に本研究の成果の論文として発信することを目指す。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Loss of TET2 has dual roles in murine myeloproliferative neoplasms: disease sustainer and disease accelerator.2015

    • 著者名/発表者名
      Kameda T, Shide K, Yamaji T, Kamiunten A, Sekine M, Taniguchi Y, Hidaka T, Kubuki Y, Shimoda H, Marutsuka K, Sashida G, Aoyama K, Yoshimitsu M, Harada T, Abe H, Miike T, Iwakiri H, Tahara Y, Sueta M, Yamamoto S, Hasuike S, Nagata K, Iwama A, Kitanaka A, Shimoda K.
    • 雑誌名

      Blood

      巻: 125 ページ: 304-315

    • DOI

      doi: 10.1182/blood-2014-04-555508

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Molecularly pathogenesis and molecular targeted therapy for myeloproliferative neoplasms.2015

    • 著者名/発表者名
      Shide K.
    • 雑誌名

      Rinsho Ketsueki.

      巻: 56 ページ: 150-158

    • DOI

      doi: 10.11406/rinketsu.56.150.

  • [雑誌論文] 骨髄増殖性腫瘍の異常造血幹細胞2014

    • 著者名/発表者名
      幣光太郎, 亀田拓郎
    • 雑誌名

      血液フロンティア

      巻: 24 ページ: 1005-1013

  • [雑誌論文] MPNの分子病態解明研究の進歩2014

    • 著者名/発表者名
      幣光太郎
    • 雑誌名

      血液内科

      巻: 69 ページ: 214-220

  • [学会発表] Therapies Targeting the MAPK Pathway Improve Bone Marrow (BM) Fibrosis Induced By JAK2V617F2014

    • 著者名/発表者名
      Shide K, Kameda T, Kamiunten A, Sekine M, Akizuki K, Shimoda H, Hidaka T, Kubuki Y, Kitanaka A, Shimoda K
    • 学会等名
      American Society of Hematology 56th Annual Meeting
    • 発表場所
      San Francisco CA, 米国
    • 年月日
      2014-12-07
  • [学会発表] Loss-of-TET2 induces clonal expansion of JAK2V617F mutant stem/progenitor cells and initiates MPNs2014

    • 著者名/発表者名
      Kameda T, Shide K, Akizuki K, Sekine M, Kamiunten A, Shimoda H, Hidaka T, Kubuki Y, Kitanaka A, Marutsuka K, Shimoda K
    • 学会等名
      第76回日本血液学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-10-31
  • [学会発表] CALR mutation and clinical correlates in myeloproliferative neoplasms2014

    • 著者名/発表者名
      Shide K, Kameda T, Kamiunten A, Sekine M, Akizuki K, Shimoda H, Hidaka T, Kubuki Y, Kitanaka A, Shimoda K
    • 学会等名
      第76回日本血液学会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2014-10-31
  • [産業財産権] 骨髄線維化の抑制剤2015

    • 発明者名
      幣光太郎、下田和哉
    • 権利者名
      宮崎大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2015-016390
    • 出願年月日
      2015-01-30

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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