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2015 年度 実績報告書

関節リウマチにおける間葉系幹細胞の病的意義

研究課題

研究課題/領域番号 26860746
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

齋藤 鉄也  東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10360926)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード関節リウマチ / 滑膜線維芽細胞 / 間葉系幹細胞
研究実績の概要

関節リウマチ(RA)における間葉系幹細胞(MSC)の病的意義を調べるために、今年度はMSCのマーカー遺伝子の下流にGFPやジフテリア毒素受容体(DTR)を発現する遺伝子改変マウスを用いて検討した。まず、αSMAプロモーター下にGFPとDTRの融合タンパク質を発現するマウスを用いて、GFPの発現およびジフテリア毒素(DT)の至適投与量を検討した。マウスの関節や骨髄における、GFPの発現を蛍光顕微鏡および免疫組織染色で観察したところ、MSCと考えられる紡錘形の細胞でも一部発現を認めたが、血管平滑筋細胞と考えられる血管壁で発現が強かった。また、DTの用量を振ってマウスに投与したところ、少量であっても致死的であった。以上より、今回用いたαSMA-GFP/DTRマウスは、MSCの解析には適さないマウスであることが判明した。そこで、αSMAにかわるレポーターマウスとして、ColI-GFPマウスを用いて検討した。Col1-GFPマウスの関節および骨髄におけるGFPの発現を調べたところ、線維芽細胞様の細胞でGFPが陽性であった。これは、ColIがMSCのみでなく線維芽細胞でも発現しているためと考えられた。MSCに特異的なレポーターマウスが入手困難であったため、ColI-GFPマウスを用いて以後解析した。
ColI-GFPマウスを用いた骨髄移植実験および併体結合実験により、関節炎の滑膜における活性化した滑膜線維芽細胞の由来は骨髄などの関節外組織ではなく、滑膜局所の細胞であることを明らかにした。また、細胞増殖のマーカーであるKi67染色や細胞周期インディケーターマウスであるFucciマウスを用いた解析から、活性化した滑膜線維芽細胞の増多には細胞増殖が重要であることも示し、報告した。最近になり、Gli1が組織常在のMSCのマーカーになることが報告され、今後は関節滑膜に存在するMSCあるいは正常滑膜線維芽細胞のどちらが重要かを解析する費用がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a murine model of rheumatoid arthritis2016

    • 著者名/発表者名
      Matsuo Y, Mizoguchi T, Saito T, Kawahata K, Ueha S, Matsushima K, Inagaki Y, Miyasaka N, Kohsaka H
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 470 ページ: 504-509

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2016.01.121.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 骨破壊をきたす炎症性滑膜線維芽細胞は関節外に由来せず局所で増殖する2015

    • 著者名/発表者名
      松尾祐介、溝口史高、斎藤鉄也、川畑仁人、宮坂信之、上阪等
    • 学会等名
      第1回骨免疫学会
    • 発表場所
      ホテルブリーズベイマリーナ(沖縄県宮古島市)
    • 年月日
      2015-07-01
  • [学会発表] 関節リウマチモデルマウスにおける滑膜線維芽細胞は関節外に由来せず局所で増殖する2015

    • 著者名/発表者名
      松尾祐介、川畑仁人、溝口史高、斎藤鉄也、宮坂信之、上阪等
    • 学会等名
      第59回日本リウマチ学会学会総会・学術集会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-04-23

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公開日: 2017-01-06  

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