本研究により、炎症が関節リウマチ(RA)の日内リズムを撹乱する機構の一部が明らかになった。すなわち関節破壊の主役である滑膜細胞において、①炎症誘導物質TNFαは時計遺伝子Per2発現量を減少させ、Bmal1発現量を亢進させるが、発現リズムには影響しなかった。②特にBmal1遺伝子の発現量増加は、Bmal1転写促進因子が亢進することで引き起こされていた。③この現象はCaシグナル伝達経路を遮断することで消失したが、これは転写因子NFATを介していなかった。したがってTNFαがRA滑膜細胞へ作用すると、細胞内Caイオンの上昇により転写促進因子が増加、これがBmal1の増加へつながることが示された。
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