本研究ではHTLV-1感染が関節リウマチ(RA)の病態へ与える影響について臨床的研究および基礎的研究を進め,下記1~3の成果を得た.1.HTLV-1陽性RA患者は,陰性RA患者に比べ血漿IL-6やCCL20濃度が高い傾向である.2.HTLV-1感染細胞との共培養によってRA滑膜細胞におけるIL-6,CCL20やMMP-3などの産生,およびパターン認識受容体(PRRs)の発現が亢進する.3.HTLV-1感染細胞が産生するエクソソームはRA滑膜細胞を活性化し,その活性化機構にPRRsが重要である.HTLV-1感染がRA病態を修飾するメカニズムは複雑であり,今後も詳細な検討が必要と考えられた.
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