ループス腎炎(LN)におけるM2マクロファージ(Mφ)の機能を解析した。活動性LNの糸球体にはHO-1発現が低下したM2 Mφが浸潤し、M2 Mφ数と尿蛋白量は正の相関を認めた。ヒト単球から分化させたM2 Mφへのtype Ⅰ IFN刺激で、HO-1が低下し、HO-1転写抑制因子Bach1とIL-6の発現が増加した。Bach1欠損LNモデルマウスは生存期間延長と尿蛋白減量がみられ、これらはM2 Mφへの分化促進と腎でのHO-1増加が関係すると考えられた。LNにおいてM2 Mφは炎症性に働くが、Bach1作用阻害によるHO-1発現促進を介したM2 Mφの抗炎症作用の回復がLN治療に有用と考える。
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