• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実施状況報告書

表皮γδT細胞の機能解明に向けた解析ツールの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26860761
研究機関順天堂大学

研究代表者

志村 絵理  順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (30586342)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード皮膚免疫応答 / γδT細胞
研究実績の概要

表皮特異的に存在するγδT細胞(dendritic epidermal T cells; DETCs)は皮膚免疫応答において重要な役割を担っているとされているが、利便性のある解析手法が確立されていないことから、その機能は未だ不明瞭な部分が多い。本研究では、DETCsの無い環境やDETCs特異的に蛍光タンパク質を発現するマウスを構築し、これらマウスを解析することでDETCsの機能を明確にすることを主な目的とし、研究を進めた。本年度は、DETCs特異的に発現する遺伝子候補としてこれまでに得た500遺伝子から約90遺伝子まで絞り込むことができた。具体的には、まず、遺伝子解析ソフトを用いて、各遺伝子について予想される機能を調べ、受容体やその他膜表面分子、転写因子、サイトカイン、ケモカイン、その他細胞室内に存在する分子をコードする遺伝子を候補遺伝子として選出し、123遺伝子まで絞り込んだ。次に、各候補遺伝子について、表皮ケラチノサイトのサンプル用いたPCRを行い、バンドが検出される場合は、DETCs特異的に発現する遺伝子の候補から外すという方法で絞り込みを行った。興味深いことに、候補遺伝子のうち、細胞膜表面受容体や転写因子は、脳で発現が高いとされる遺伝子が依然として多い。現在、表皮のDETCsやDETCsが存在する胎生14.5日の胸腺細胞にて候補遺伝子の発現が認められるか検討を進めており、まもなくDETCs特異的遺伝子の更なる絞り込み作業が終了する見込みである。今後、得られた遺伝子をターゲットとした遺伝子改変マウスを作製し、そのマウスへ接触性皮膚炎を誘導して解析を行うことで皮膚免疫応答におけるDETCsの役割の明確化を目指す。一方で、得られた遺伝子のDETCsにおける機能についても解明すべく詳細な解析を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

DETCs特異的に発現する遺伝子の同定に向けた、候補遺伝子の絞り込み作業は現在終盤を迎えつつあるが、各候補遺伝子のPCRを行うにあたり、最適な反応条件をそれぞれの遺伝子について見いだす作業に当初の予定よりも時間がかかっている。従って、本研究の現在までの達成度はやや遅れているといえる。

今後の研究の推進方策

DETCs特異的に発現する遺伝子を同定し、その遺伝子をターゲットとしたDETCs欠損マウスやレポーターマウスの作製に着手する。これら遺伝子改変マウスが作製でき次第、接触性皮膚炎を誘導して皮膚組織の解析を行い、DETCsの皮膚免疫応答における役割の明確化を目指す。一方、DETCs特異的遺伝子がコードする分子がDETCsの活性化(サイトカイン産生や形態変化等)に及ぼす影響を評価する。仮に、作製予定の遺伝子改変マウスが予定通りに産まれなかった場合は、この解析結果をまとめ、論文を作成する予定である。
また一方で、同定したDETCs特異的遺伝子を発現する細胞がヒトの皮膚組織に存在するかについても検討を予定している。

次年度使用額が生じた理由

現在までの達成度について述べたとおり、DETCs特異的遺伝子の同定作業が当初の予定よりもやや遅れている。これに伴い、当初予定していたDETCs特異的遺伝子をターゲットとした遺伝子改変マウスの作製やその遺伝子の機能解析に至っていない為、これらの実験について使用を予定していた費用が次年度使用額として生じている。

次年度使用額の使用計画

同定した遺伝子の発現や機能を評価するため、フローサイトメトリーや組織染色用の抗体、中和抗体、ELISAキットを利用する。また一方で、遺伝子改変マウスの作製へ向け、コンストラクトを構築するにあたり、制限酵素や大腸菌を用いた作業に培地等の消耗品を必要とする。主にこれら試薬や消耗品について研究費の利用を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Potential role of myeloid cell/eosinophil-derived IL-17 in LPS-induced endotoxin shock2014

    • 著者名/発表者名
      Shimura E, Shibui A, Narushima S, Nambu A, Yamaguchi S, Akitsu A, Leonard WJ, Iwakura Y, Matsumoto K, Suto H, Okumura K, Sudo K, Nakae S.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 453(1) ページ: 1-6

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2014.09.004.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi