研究課題
骨組織には神経線維が豊富に分布しており、近年になって神経系の骨代謝調節における意義が注目されるようになってきた。当研究室では代表的な神経伝達物質であるドパミンが、関節リウマチ患者炎症性滑膜の樹状細胞にドパミンが豊富に存在する事、ドパミンD1様受容体阻害薬が滑膜炎症及び関節破壊を抑制しうる事をSCIDマウスを使ったヒト関節リウマチモデルにおける検討で明らかにし、更にはドパミンD2受容体シグナルが細胞内cAMP-c-Fos-NFATc1を抑制する事で破骨細胞形成を抑制する事を報告してきた。本研究ではこれまでの検討に加えて、神経伝達物質による骨芽細胞分化・成熟に対する影響について検討を行う。はじめに、ドパミン関連刺激の炎症性骨破壊病態、及び骨粗鬆症病態に対する影響を評価するために、ラット関節炎モデル:ラットに完全フロイントアジュバント+牛Ⅰ型コラーゲンを皮下投与することで作成するラット関節炎モデルに対し、ドパミン関連刺激薬の経口投与を行い、連日関節炎のスコアリングを行い、X線による画像的評価を行った。結果コントロール群と比較して、ドパミンD2受容体作動薬投与により関節炎スコアは低下し、画像上関節破壊も抑制されていた。
3: やや遅れている
関節炎動物モデルにおいて、ドパミンD2受容体シグナルが関節炎及び関節破壊を抑制し得ることが示されるも、本研究の目的である骨芽細胞形成系への影響についてメカニズムも含めて十分に解明出来ていない。
主にvitroの系において、ドパミン受容体シグナルによる骨芽細胞形成系への作用メカニズムについて研究を進める。具体的には、ヒト間葉系幹細胞から骨芽細胞分化を誘導し、ドパミン受容体作動薬を添加し、ELISA法にて培養上清中のオステオカルシン評価、同時にアルカリ性ホスファターゼ染色を行い、骨芽細胞分化誘導に与える影響を評価する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件)
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