研究課題
H26年度は研究計画の初年度である。本年度は、はじめにオンラインデータベース上(Hapmap プロジェクト)から MAVS の全 SNP 部位の検索、抽出を行った。その後、抽出した MAVS の全 SNP のうち、アミノ酸置換を伴うものや、転写調節部位にある SNP を再抽出した。転写調節部位の MAVS-SNP は、MAVS の転写調節機構が明らかになっておらず解析が困難であることから、アミノ酸置換を伴う MAVS-SNP の解析に焦点をあて、詳細な検索を行った。その結果、データベース上から12個の MAVS-SNP を抽出することができた。そこで、研究室現有の MAVS 発現ベクターを利用して、アミノ酸置換を伴うSNPを反映した MAVS 遺伝子を12種類作製した。MAVS-SNP 発現ベクターを培養細胞内へ導入し、MAVS-SNP の細胞内局在、特にミトコンドリアとの局在関係を検討した。その結果、MAVS のミトコンドリア外への局在変化をもたらす MAVS-SNP を1個見つけた。次に、合成2本鎖 RNA を MAVS-SNP 発現細胞内へ導入し、I 型 IFN の産生に対する影響を検討した。その結果、I 型 IFN の産生を低下させる MAVS-SNP が4種類、逆に I 型 IFN の発現を亢進させる MAVS-SNP が1種類があった。これらの研究結果から、アミノ酸置換を伴う MAVS-SNP は抗ウイルスシグナルへ少なからず影響を与えることが示唆された。
2: おおむね順調に進展している
本年度は研究計画の記載に沿って研究が順調に実施された。したがって、本年度の研究はおおむね順調に進展していると言える。
本課題は研究計画に沿って研究が実施されていることから、今後も研究計画に記載の通りに研究を実施する予定である。
次年度の定量PCRに使用する酵素の価格上昇に伴い、購入費が当初見込みより増える見込みであるため繰越することとした。
酵素の購入予定。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (3件)
Clin Exp Nephrol
巻: 19 ページ: 75-81
10.1007/s10157-014-0956-3
Neurosci Res
巻: - ページ: -
10.1016/j.neures.2014.12.003
10.1016/j.neures.2015.01.001
巻: 84 ページ: 34-42
10.1016/j.neures