本研究は発症すると5%が死に至り乳幼児では後遺症を残しやすい『細菌性髄膜炎』の感染機序および免疫細胞による防御機構を明らかにするため、マウス感染モデルを用いてマウス内部での細菌性髄膜炎原因菌および免疫細胞の挙動を『ライブイメージング技術』を駆使して解析することを目的としている。具体的には、マウス生体内における細菌性髄膜炎原因菌のコロニー形成過程や局在変化を経時的に解析し、病巣形成過程を明らかにする。さらに細菌性髄膜炎ワクチン投与後の免疫細胞の挙動変化および細菌性髄膜炎原因菌の生存率や局在変化を解析し、ワクチンがもたらす効果をリアルタイムに評価する。 平成28年度ではインフルエンザ菌および免疫細胞の細胞動態解析を中心に実験を進めた。感染時の肺内部におけるインフルエンザ菌と免疫細胞の挙動を解析し、感染巣形成過程を観察した。さらに、インフルエンザ菌ワクチンを投与しインフルエンザ菌への応答がどのように経時的に変化するか解析し感染巣でのワクチンの効果を評価した。
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