研究実績の概要 |
1.VAP患者の肺胞洗浄液検体を用いた肺胞上皮サイトカインの測定:肺胞洗浄液検体で肺胞上皮サイトカインの測定が実際に可能か評価するために、VAP確定例15検体を用いて、サイトカインをELISA法にて測定した。気管支肺胞洗浄液(BALF)中のTNF-α,IL-1β,CCL20,CXCL5はELISA法により測定可能であったが,IL-1α,GM-CSFは14検体が測定限界値以下であった。さらに感度の高い手法が必要と考えられるため、現在immunoPCR法による測定を検討しているため、本研究の延長を申請した。ELISAの結果から、BALFの好中球数とTNF-α,IL-1β,CCL20の相関の可能性が示唆されたものの、微生物類や予後と肺胞上皮サイトカイン値の関連は現時点では明らかではなかった。さらに症例を蓄積し、肺胞上皮サイトカイン値と肺炎の予後に関して検討を行いたい。 2.論文、学会発表、受賞について:本研究に関連して、申請者は平成28年度に計7編の原著論文(1.Smith NMS, Yamamoto K, et al. Mucosal Immun 2017. 2.Coleman FT, Yamamoto K, et al. J Infect Dis 2017. 3.Nishikawa H, Yamamoto K, et al. J Antimicrob Chemother 2017.4.Kamata H, Yamamoto K,et al. Am J Respir Cell Mol Biol 55:407-418, 2016. 5.Nagayoshi Y, Yamamoto K, et al. Intern Med 55:2849-2853, 2016. 6.Takazono T, Yamamoto K, et al. Intern Med 55:2877-2880, 2016. 7.Yoshida M, Yamamoto K, et al. Intern Med 55:3211-3214, 2016.)を受理された。国際学会シンポジウム1演題、一般演題1演題、全国学会シンポジウム3演題を発表。また申請者は同年度に5つの受賞と競争資金を得た(全て代表:武田科学振興財団 医学系研究、MSD生命科学財団 女性研究者支援、NPO法人「長崎県地域医療の研究支援を目的とした医師団」助成金、長崎県医師会医学研究助成金、第1回 長崎大学未来に羽ばたく女性研究者賞)。 (IF 1.037)
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