研究課題
ファロー四徴症は先天性心疾患の10%を占める頻度の高い疾患であり、発症には遺伝的因子の関連が強いと考えられているが、その詳細なメカニズムは今なお不明な点が多い。本研究では、高密オリゴヌクレオチドアレイと次世代シークエンサーを駆使し、ファロー四徴症の患者のパーソナルゲノムを網羅的に解読することで、ファロー四徴症の発症関連遺伝子を同定し、関連遺伝子群のネットワークを含めた発症分子機構を解明することを目的とする。当院でフォロー中の患者の内、円錐動脈幹異常の患者計53例(総動脈幹症3例、ファロー四徴症31例、完全大血管転位症21例)において、全エクソーム解析を施行し、現在結果を解析中である。また、他院でフォローされていた、兄弟でファロー四徴症を認めた2家系においてエクソーム解析を施行した。発端者にファロー四徴症、発端者の妹に純型肺動脈閉鎖症を認めた家系1の解析では、アラジール症候群において既報のJAG1遺伝子変異を認めた。無症状の母にも同様の変異を認め同変異の浸透率の率が低いことが示唆された。また、発端者にファロー四徴症と肥大型心筋症、発端者の姉にファロー四徴症を認めた家系2の解析では、常染色体劣性遺伝・Compound heterozygosityを仮定し、それぞれ3つの候補遺伝子が同定された。この内ファロー四徴症との関係が指摘されている22q11.2領域にあるLZTR1という遺伝子に関して、現在ゼブラフィッシュを用いて心臓発生に関する機能解析を行っている。
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