研究課題
小児急性骨髄性白血病に対する新規免疫療法の確立を目的としてメソセリンを標的とした細胞傷害性T細胞の樹立を試みた。末梢血由来の単核球からCD14陽性細胞を磁気ビーズにてポジティブセレクションを行い単球を選択的に分離した後、サイトカインと1週間混合培養することで樹状細胞へと分化させた。さらに別のサイトカインカクテルとメソセリンペプチドによるStimulationを2回継続することで、メソセリン特異的細胞傷害性T細胞の誘導を試みた。メソセリンに対する特異性はElispotを用いて確認することとした。本手法では初回stimulation後にはほとんど細胞増殖が得られていないにも関わらず、2回目stimulation後にはほぼ全例で効率的に細胞増殖を得ることは可能であった。その一方で特異性の得られ方はまちまちで、同一ドナーにおいても結果が一定しないことがあった。したがって高い特異性を安定して得るためには更なる工夫が必要と考えられた。小児急性骨髄性白血病では必ずしもメソセリンが高率に発現しているとは限らないが、あらかじめ免疫染色やフローサイトメトリーを用いて的確な症例が見出せれば将来的には免疫療法の新たな一つの手法となりうる可能性があると考えられた。したがって更なる検証を継続するとともに、将来の臨床応用への可能性についても評価を行う予定である。
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