造血幹細胞移植などの免疫抑制患者において接合菌症は重篤で致命率が高い疾患であるが、特徴的な臨床経過や特異的な画像所見がなく、血清補助診断法も確立されてない。診断するためには直接病巣組織を調べる必要があり、生検や手術による切除などの侵襲を伴う処置が必要であった。そこで、Laurenceらが報告した方法を改良しMucor/Rhizopus、 Lichtheimia、 Rhizomucor に対する接合菌DNAを定量的PCR法にて検出する方法を確立した。また接合菌溶菌液を精製し、代表的な糸状菌真菌であるアスペルギルスと樹状細胞を用いた真菌特異的T細胞を増幅することができた。
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