半数以上のStage 4神経芽腫患者では腫瘍が再発するのに対して、骨髄、皮膚、肝に限局した転移を示すStage 4S患者では腫瘍が自然消退する。Stage 4と4S患者の間に、このような違いをもたらす分子機構は、未だ明らかになっていない。そこで申請者は、Stage 4S患者の非腫瘍細胞における染色体転座部位t(1;10)(p22;q21)から単離された遺伝子Evi5に注目し、その機能解析を試みた。神経芽腫特異的な発現を示す新規Evi5アイソフォームを同定し、Evi5をノックダウンした神経芽腫細胞は、スフェア形成能、コロニー形成能、免疫不全マウスにおける腫瘍形成能が低下することを明らかにした。
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