研究実績の概要 |
NOD1のリガンドであるFK565を0, 10, 50 pmol/mlの濃度に振り, それぞれ高感度”TNBS アミノ基誘導体化 LC-MRM-MS/MS法を用いて測定した. 結果, NOD1リガンドの濃度とarea rationはきれいな標準直線が書けた. まずは, TNBSアミノ基誘導体化せずに川崎病患者 (n=117)血清中の特異的物質を質量分析計を用いて検索したところ, m/z=1531.8, 1414.3, 790.9, 779.8, 695.0 (以上第1期間), 1171.4, 1169.4, 906.8, 695.0 (以上第2期間), 667.4, 619.4と409.3 (以上第3期間)の複数の特異的物質を見つけ出した. コントロールは疾患コントロール (n=101)と正常コントロール (n=5)を用いた. 但し, それぞれの特異的物質の感度は9.3~81.8%とばらつきが大きかった. 特異度は100%であった. また, これらの物質はバイオマーカーの候補にはなるが, 一定期間を過ぎると検出されなくなった. この事は, 本疾患がそれぞれの流行毎に類似した臨床症状を示す報告と一致している. 加えて, 各々の特異的物質と臨床情報 (有熱期間と眼球結膜充血・四肢硬性浮腫・皮疹・非化膿性頚部リンパ節腫脹・いちご舌の有無, WBC, CRP, ALT, γ-GTP, 総ビリルビン)との関連を調べたが, 明らかな関連性は見いだせていない.
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