川崎病における内皮細胞の生存傷害と免疫グロブリン(IG)、ステロイド(PSL)の役割、冠動脈後遺症(CAA)の関連性を検討した。HUVEC培養細胞を患者血清で刺激し、薬剤非投与群、PSL群、IG群(IG)、PSL+IG群の4群に分類し各種実験を行った。川崎病群では細菌感染群と比較し、細胞死に関わる細胞毒性、caspase3/7活性、HMGB-1値が有意に上昇し(P<0.001)、細胞生存シグナルであるAktのリン酸化が抑制されていた(P=0.023)。IG投与で細胞死に関わる因子は低下し、リン酸化Aktの上昇がみられた。細胞毒性の増加とリン酸化Aktの減少はCAA発症に有意な関連性を示した。
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