我々はHMGA2遺伝子が高発現している胎児型横紋筋肉腫(以下ERMS)の細胞株におけるHMGA2の機能解析を行った。HMGA2の発現抑制によりERMS細胞株の増殖抑制、G1期細胞周期停止、筋分化の促進が生じた。次にHMGA2とDNAの結合を阻害すると予想されるnetropsinの抗腫瘍効果を検討した。3種類のERMS細胞株でIC50は、それぞれ148、158、87microMであった。ERMS細胞株の異種移植腫瘍に対し、netropsinは用量依存的に抗腫瘍効果を示した。これらの結果からHMGA2はERMS細胞株の造腫瘍性に関与しており、netropsinが抗腫瘍効果を有することが示唆された。
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