Fontan患者の免疫異常や血小板機能異常の機序を明らかにするために、全血に対してマイクロアレイ解析を行い、血球細胞の遺伝子発現の網羅的解析を行った。対象はFontan群6例として、健常児6例との比較検討を行った。40個の遺伝子発現に関する経路で有意差を認めた。5つは免疫機能に関わる経路(IL-12の減弱、PD-1の減弱、ZAP-70の減弱、CD8陽性T細胞におけるTCR伝達の減弱)であり、1つは血小板機能に関わる経路(IFN alfa IIb/beta3の増強)であった。Fontan患者においては遺伝子発現レベルで、免疫機能が低下し、血小板機能が増強していることが示された。
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