研究課題
1. 臨床的検討(平成26年度~28年度)未熟児の「血漿イヌリンクリアランス(Cin)」を用いて腎糸球体濾過量(GFR)を測定し出生体重別の「正常GFR基準値」を策定する予定であるが現時点で同意を得られた対象がおらず、引き続きリクルートを進める。2. 実験的検討(平成26年度~28年度)本研究期間で成長した後の未熟児ラットが加齢後のどのタイミングで腎障害を来すのかを腎障害マーカーの尿中アンギオテンシノーゲン(AGT)を用いて尿生化学的に証明すると共に組織学的に証明した(Murano Y, Nishizaki N, et al. Evaluation of kidney dysfunction and angiotensinogen as an early novel biomarker of intrauterine growth restricted offspring rats. Pediatr Res. Dec;78(6):678-82. 2015)。さらに申請者らは生後のラットへの高濃度酸素負荷により既報と同様に網膜障害が発生するとともに腎障害も発症することを突き止めた。現在、論文作成中である。
3: やや遅れている
臨床的検討において当初予期していなかったこととして対象者が募れず、1例も実施できていない。他方、動物実験による低出生体重ラットと腎障害発症の関連は尿中アンギオテンシノーゲンを用いて実証できた。さらにはラットへの酸素負荷モデルを用いて腎障害を実証できており、これらは当初の計画よりも予想外に進んでいる部分と考える。引き続き査読のある英文誌への投稿をめざし、データを解析していく予定である。
ヒトへの臨床研究であるが、当初の目標には達していないために対象リクルートの選定などを積極的に行う。一方で、動物実験による低出生体重ラットと腎障害発症の関連は尿中アンギオテンシノーゲンを用いて実証でき、さらにはラットへの酸素負荷モデルを用いて腎障害についての新しい治験を得始めている。これらは当初の計画よりも予想外に進んでいる部分と考える。引き続き実験を進めていく。
臨床的研究、動物実験による研究を遂行するに当たり、よりコストのかからない方法を模索して物品や必要消耗品を選定しているために次年度使用額が生じている。
今後は論文作成や成果を発表するために経費として使用する計画である。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
Pediatr Res.
巻: 78 ページ: 678-682
10.1038/pr.2015.153.