本研究の目的は、先天性心疾患(CHD)術後の急性腎傷害(AKI)の発症率を調査するとともに、その危険因子を同定することである。本研究の結果、CHD術後に23%がAKIを発症していた。また、人工心肺使用と阻血の有無がCKD術後のAKI発症の危険因子であることが判明した。さらに、AKIを合併した104例 (男児68例、女児34例) を2年間追跡したところ、23例 (22%) が2年間の間に死亡しており、術後から死亡までの平均期間は170日間であった。死亡率は明らかに非AKI群に比してAKI群で高率であり、術後のAKIがその後の死亡率に寄与していることが判明した。
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