本研究は脂肪酸代謝異常症がもたらすミトコンドリアの品質低下の機序を明らかにし治療法の開発に寄与することを目的とし、ミトコンドリア呼吸鎖異常症と同様に脂肪酸代謝異常がミトコンドリアDNA量の維持の妨げとなると考えて研究を開始した。しかし糖源の枯渇による飢餓時においてもミトコンドリアDNAの顕著な減少は示されなかった。そこで連続スライスSEMを用いた超微細三次元構造観察に主眼を移し、ラット組織やヒト培養細胞で脂肪酸代謝における重要なオルガネラであるペルオキシソームの形態と分布、増殖様式について知見を得たほか、ミトコンドリア内膜(クリステ)の観察を行い、三次元化を行った。
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